「田舎でロックンロール」 「向田理髪店」 奥田英朗 

 奥田英朗の小説「向田理髪点」の登場人物、向田康彦は53歳、10代のころは英米のポップスと映画が大好きで、将来は映画監督やミュージシャンは無理だとしても文化に隣接した仕事につきたいと思っていた。結局夢破れて、家業の床屋を継ぐことになる。おそらくこの設定は若き日の奥田英朗そのものではないか。そんなことがわかるのが「田舎でロックンロール」で、こちらは作者自身の洋楽体験記。1970年代に10代を過ごした音楽体験がつづられている。

 

おそらく60年代のビートルズ以降、似たような青春時代を過ごしたひとはたくさんいるだろう。地方在住で情報がない、当然都会に憧れ、進学や就職で上京する。

そして「映画監督やミュージシャンは無理だとしても文化に隣接した仕事」とはおおむねマスコミ関係だろうが、そこは大変な人気企業でそう簡単に入れない。結局夢破れて普通の人として過ごしていく。

何を隠そう私もまた似たような10代、とその後の人生歩んだ一人である。ただし時代はほぼ10年後の80年代。

これを読んで「私家版田舎でロックンロール」を書きたくなってきた。

 

 

向田理髪店

向田理髪店