天皇賞 秋 展望

30日は天皇賞、ここを皮切りにジャパンカップ有馬記念と続く秋の古馬王道路線がいよいよ始まります。日本競馬のハイライトはこの路線にあると思ってるので毎年楽しみです。

さて、天皇賞ですが、G1三連戦の初戦ということ、ジャパンカップのほうが賞金が高いこと、さらに凱旋門賞に行ってここを回避する馬もあって、天皇の名を冠して歴史と伝統を誇るレースの割にこのところの勝ち馬はどうにも地味だったりします。
2015年 ラブリーデイ(1番人気)
2014年 スピルバーグ(5番人気)
2013年 ジャスタウェイ(5番人気)
2012年 エイシンフラッシュ(5番人気)

ジャスタウェイは翌年世界ランク1位になりましたし、エイシンフラッシュは天覧競馬で華やかなイメージは残ってますが、1番人気が勝ったのは昨年のみ、あとはなぜか5番人気です。
芝2000メートルといえば、欧州ではチャンピオンディスタンス。凱旋門賞よりも英愛チャンピオンズステークスのほうが価値があるといわれています。イギリスの怪物フランケルもマイル路線を勝ちまくって最後に選んだのが2000メートル。それを思えば、天皇賞秋はちょっとさみしい気がします。

しかし、今年はまさに日本版フランケルを目指すモーリスはじめみどころのあるメンバーが出走してきました。モーリスのレーティングは世界ランク7位の124。絶対能力では抜けています。とはいえ本家フランケルとは違い、香港からの帰国初戦は得意のはずのマイルG1安田記念で2着、初の2000メートルだった前走札幌記念でも2着とここへ来て、雲行きが怪しくなってきました。安田記念は検疫の関係でトレセンに戻らず東京競馬場での調整、札幌記念は洋芝、と敗因はあるのですが、王者ならそんなこと関係なく勝てるはず。全幅の信頼をおくことはできません。

次にエイシンヒカリ、こちらはモーリスをしのぐ世界ランク2位の129。マイラーのモーリスと違い、2000メートル前後が適距離のこちらのほうが上位の評価を受けてもいいはずですが、ネット上の予想オッズでは2番手。これは逃げが得意戦法というのが理由でしょう。東京2000を逃げ切るのは至難の業。実際、昨年は毎日王冠は逃げ切ったものの天皇賞では逃げることもできずに9着に負けています。レーティング129といってもイスパーン賞での着差がたまたま大きかっただけで、結局目標のプリンスオブウェールズSでは惨敗。また香港カップ以外では1800メートルに良績が集中。意外と1800のスペシャリストである可能性もあります。

3番手評価を受けそうなのがルージュバック。3歳時きさらぎ賞を勝ったころは牝馬ながらダービー候補かとも騒がれたのに、結局クラシック勝ちなし。エプソムカップ毎日王冠と2連勝してようやく才能が開花するかといったところでしょうか。エイシンヒカリと違い、末脚の鋭いところが天皇賞向きではあります。しかもこの馬、牝馬限定では勝てず、勝ち鞍すべて混合戦。馬券的には上位2頭よりこちらのほうが面白い。

おそらくこの3頭が3番人気までになりそうですが、12年から14年までの勝ち馬はすべて5番人気。今年も5番人気を狙うと面白いかも。ということで、5番人気候補はいまのところアンビシャスかステファノス。いずれも毎日王冠からのローテーションでこれは12年からの勝ち馬3頭と同じ。

この2頭いずれかから上位3頭に流す馬券で行ってみたいと思います。